インボイス(適格請求書)に書くこと|記載事項・簡易インボイス・端数処理・7年保存を国税庁で確認
この記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。
インボイス発行事業者に登録したら、請求書に何を書けばいいのでしょうか。「登録番号は入れた。でも、ほかに足りないものは?」と迷う人もいると思います。
この記事では、国税庁のタックスアンサーとパンフレットにそって、インボイスに書くことを整理します。 2026年10月20日に国税庁のページで確認した内容です(タックスアンサーの基準は「令和8年4月1日現在法令等」、パンフレット「適格請求書等保存方式の概要」は令和8年5月版)。
インボイスとは
インボイス(適格請求書)は、売手が買手に、正しい税率と消費税額などを伝えるための書類です。国税庁のページでは、次のように説明されています。
- 税務署長の登録を受けた「適格請求書発行事業者」だけが交付できる
- 名前は「請求書」でなくてもよい。納品書や領収書でも、必要なことが書いてあればインボイスになる
- 様式は決まっていない。手書きでもよい
- 紙のかわりに、電子データ(電子インボイス)で渡すこともできる
書くことは6つ
インボイスの記載事項は、次の6つです。
| No. | 書くこと | ポイント |
|---|---|---|
| ① | 自分の氏名または名称と、登録番号 | 登録番号は、登録後に税務署から通知される |
| ② | 取引年月日 | 一定の期間の取引をまとめて書いてもよい |
| ③ | 取引内容 | 軽減税率(8%)の対象なら、その旨も |
| ④ | 税率ごとに分けて合計した対価の額(税抜きまたは税込み)と、適用税率 | 10%と8%で分ける |
| ⑤ | 税率ごとに分けた消費税額等 | 端数処理のルールあり(後で説明) |
| ⑥ | 受け取る相手の氏名または名称 | 宛名 |
登録番号の形は、法人番号がある事業者は「T+法人番号」、それ以外は「T+13桁の数字」です。
また、1枚の書類で全部をそろえる必要はありません。請求書と納品書など、関係がはっきりした複数の書類全体で6つがそろっていれば、合わせて1つのインボイスとして扱えます。
請求書の見本
架空の例です。会社名・登録番号は説明用のものです。すべて10%の取引の場合を表にしました。
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| 宛名(⑥) | 株式会社サンプル商事 御中 |
| 発行者(①) | サンプルデザイン事務所 |
| 登録番号(①) | T1234567890123 |
| 取引年月日(②) | 2026年10月分(10月1日〜10月31日) |
| 取引内容(③) | ロゴ制作 100,000円/名刺デザイン 30,000円 |
| 10%対象の合計(④) | 130,000円(税抜) |
| 適用税率(④) | 10% |
| 消費税額等(⑤) | 13,000円 |
| ご請求額 | 143,000円 |
8%の品目もある場合は、「10%対象の合計と消費税額」「8%対象の合計と消費税額」を分けて書きます。 8%の品目には「※」などの記号をつけ、「※は軽減税率対象」と書く方法が、国税庁のページで認められています。
消費税額の端数処理は「1枚につき、税率ごとに1回」
1円未満の端数が出たときのルールです。国税庁のパンフレットでは、次のように説明されています。
- 税率ごとに合計した金額に、10%または8%をかけてから、端数処理をする
- 端数処理は、1枚のインボイスにつき、税率ごとに1回
- 切上げ・切捨て・四捨五入のどれを使うかは任意
- 商品や明細行ごとに消費税額を計算して端数処理し、それを合計して記載するのは認められない
国税庁のチェックシートの例で見てみます(切捨ての場合)。
| 明細 | 対価の額(税抜) | 行ごとの消費税額 |
|---|---|---|
| 1行目 | 5,106円 | 510円 |
| 2行目 | 8,359円 | 835円 |
| 合計 | 13,465円 | 行の合計なら 1,345円 |
正しくは、合計の13,465円に10%をかけた1,346.5円を端数処理して、1,346円です。行ごとに計算した1,345円を記載するのは×です。なお、行ごとの消費税額を参考として書くことは差し支えない、とされています。
簡易インボイス
不特定多数を相手にする小売業、飲食店業、タクシー業などは、一部を省いた「簡易インボイス」を交付できます。
| 違い | インボイス | 簡易インボイス |
|---|---|---|
| 宛名 | 必要 | 省略できる |
| 適用税率と消費税額等 | 両方必要 | どちらか一方でよい(両方書いても可) |
国税庁のチェックシートでは、発行できる事業の例として、スーパー・コンビニなどの小売店、飲食店、タクシー、時間貸し駐車場、写真店、旅行会社などが挙がっています。法令上の記載事項ではありませんが、「簡易インボイス対象である旨」を余白に書いておくと、取引先の誤解を防げる、とも案内されています。
交付した写しは7年間保存
インボイス発行事業者は、相手(課税事業者)から求められたらインボイスを交付し、その写しを保存する義務があります。保存期間は、交付した日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を過ぎた日から7年間です。
写しは、書類そのもののコピーでなくてもかまいません。記載事項が確認できる一覧表や明細表などでもよい、とされています。電子インボイスを渡した場合は、そのデータのまま保存することもできます。
よくある書きもれ
国税庁のインボイス特設ページでは、記載事項のうち次の3つが「特に注意する項目」として下線つきで示されています。
- 登録番号:登録前のひな形をそのまま使い、番号が入っていない
- 適用税率:金額だけで「10%」の表示がない
- 消費税額等:税込金額だけで、税率ごとの消費税額がない
あわせて、次の点も見直しましょう。
- 消費税額を明細行ごとに端数処理して合計していないか
- 8%と10%の品目があるのに、税率ごとに分けて合計していないか
まちがえて交付したときは、修正したインボイスを交付します。国税庁のパンフレットでは、すべてを書き直して渡す方法と、もとのインボイスとの関係を明らかにして修正箇所だけを示す方法などが挙がっています。
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.6625「適格請求書等の記載事項」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6625.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.6498「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6498.htm
- 国税庁「インボイス制度特設サイト」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_about.htm
- 国税庁パンフレット「適格請求書等保存方式の概要 -インボイス制度の理解のために-」(令和8年5月) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0026004-099-02.pdf
- 国税庁「インボイス記載事項チェックシート」(令和6年2月、令和6年3月改訂) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0024002-057_a.pdf
この記事は一般的な情報です。税務の判断は、税務署または税理士にご確認ください。
新しい無料ツールや記事を、LINEでお知らせします
「ツール」「お金」「スマホ」と送ると、合うツールの案内が自動で届きます。