青色申告特別控除65万円・55万円・10万円の違い|複式簿記・e-Tax・期限内申告の要件を国税庁で確認
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青色申告をすると、所得から差し引ける「青色申告特別控除」があります。金額は65万円・55万円・10万円の3つ。どれになるかは、帳簿のつけ方と、申告のしかたで決まります。
この記事では、国税庁のタックスアンサー「No.2072 青色申告特別控除」などにそって、3つの違いを整理します。 2026年10月20日に国税庁のページで確認した内容です(タックスアンサーの基準は「令和8年4月1日現在法令等」)。
まず全体像
| 控除額 | 主な要件 |
|---|---|
| 65万円 | 55万円の要件 +「e-Taxで申告」または「優良な電子帳簿で保存+届出書」 |
| 55万円 | 事業所得・不動産所得を生ずべき事業/正規の簿記(一般的には複式簿記)/貸借対照表・損益計算書などを添付/期限内に申告 |
| 10万円 | 65万円・55万円の要件に当てはまらない青色申告者 |
どれも「最高」の金額です。事業所得などの金額が控除額より少ない場合は、その金額が限度になります。
前提:青色申告の承認
どの控除も、青色申告者であることが前提です。国税庁のタックスアンサー No.2070 では、「青色申告承認申請書」の期限は次のとおりです。
- 原則:青色申告の承認を受けようとする年の3月15日まで
- その年の1月16日以後に新しく業務を始めた場合:業務を始めた日から2か月以内
55万円の要件
国税庁のページでは、55万円の控除の要件は次の3つです。
- 不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいること
- その取引を、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)で記帳していること
- その記帳にもとづく貸借対照表・損益計算書・所得の金額の計算に関する明細書を確定申告書に添付し、控除を受ける金額を書いて、確定申告期限(翌年3月15日)までに提出すること
注意したい点です。
- 貸借対照表の添付が必要です。損益計算書だけでは足りません
- 還付申告でも、55万円・65万円を受けるには、翌年3月15日までの提出が必要です
- 「現金主義による所得計算の特例」を選んでいる人は、55万円(65万円も)を受けられません。国税庁のリーフレットでは、この場合も10万円の控除は受けられる、とされています
65万円の要件
65万円は、55万円の要件をすべて満たしたうえで、次のどちらかに当てはまる場合です。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| ① e-Taxで申告 | その年分の確定申告書・貸借対照表・損益計算書などを、提出期限までにe-Taxで送信する |
| ② 優良な電子帳簿で保存 | 仕訳帳と総勘定元帳を「優良な電子帳簿」の要件を満たして電子データで備え付け・保存し、一定の事項を書いた届出書を確定申告期限(翌年3月15日)までに出す |
① e-Taxで申告するときの注意
- 確定申告書・貸借対照表・損益計算書などを、イメージデータ(画像)で送ることはできません
- 国税庁のリーフレット(令和6年4月)では、税務署に行ってパソコンで申告する場合は青色申告決算書のデータをe-Taxで送信できないため、②の方法でない人は65万円を受けられない、と案内されています
- 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作って、e-Taxで送信することができます
② 優良な電子帳簿とは
国税庁のリーフレットでは、「モニター、説明書等を備え付ける」などの要件に加えて、次の3つをすべて満たす電子帳簿と説明されています。
- 訂正や削除の履歴が残ること
- 帳簿どうしの関連がわかること(相互関連性)
- 日付・金額・相手方で検索できること
届出書の名前は「国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等に係る65万円の青色申告特別控除・過少申告加算税の特例の適用を受ける旨の届出書」です。
10万円の要件
10万円は、65万円・55万円の要件に当てはまらない青色申告者が受けられます。国税庁のリーフレットには、「簡易な帳簿による記帳であっても、10万円の青色申告特別控除の適用を受けることができます」とあります。
| 比べる点 | 65万円 | 55万円 | 10万円 |
|---|---|---|---|
| 帳簿 | 正規の簿記(一般的には複式簿記) | 正規の簿記(一般的には複式簿記) | 簡易な帳簿でもよい |
| 貸借対照表の添付 | 必要 | 必要 | - |
| 確定申告期限までの提出 | 必要 | 必要 | - |
| e-Taxまたは優良な電子帳簿 | どちらか必要 | 不要 | 不要 |
「-」は、No.2072で10万円の要件として挙がっていない項目です。10万円は「55万円・65万円の要件に当てはまらない青色申告者」が対象、と書かれています。
期限を過ぎたらどうなる?
55万円・65万円は「確定申告期限までの提出」が要件です。国税庁のリーフレットの判定表では、要件を満たさない場合「65万円の控除は受けられません(ただし、10万円の控除が受けられる場合があります。)」とされています。 65万円・55万円を受けたい人は、期限内の提出を最優先にしましょう。
申告前のチェック
- ☐ 青色申告の承認を受けている
- ☐ 複式簿記で記帳している(55万円・65万円の場合)
- ☐ 貸借対照表と損益計算書を作った
- ☐ e-Taxで送る、または優良な電子帳簿の届出書を出した(65万円の場合)
- ☐ 翌年3月15日までに提出する
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.2072「青色申告特別控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.2070「青色申告制度」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm
- 国税庁リーフレット「e-Taxによる申告又は優良な電子帳簿の保存により65万円の青色申告特別控除を適用しましょう!」(令和6年4月) https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0021010-076.pdf
この記事は一般的な情報です。税務の判断は、税務署または税理士にご確認ください。
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